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休診
午後休診
当院では、食生活のことだけではなく、ご本人とゆっくりとお話をし、生活習慣全体を振り返りながら、栄養相談を行います。
単に検査結果の数値改善や糖尿病治療を目標とするのではなく、生活の中でやりたいことや夢を実現し、いつまでも、望む暮らしを叶える為の大切な体を守る為に、栄養相談をお役立ていただきたいと考えています。
また、近年では「フレイル」老化に伴い筋力や活動が低下し、閉じこもり、意欲低下や認知機能の低下などがみられます。また、健康と要介護の中間的な状態にある高齢者の方が増えており、高齢者糖尿病の方はフレイルになりやすく、糖尿病も重症化しやすいと言われています。
当院では、栄養相談時に、基本チェックリストやMNA-SF、筋力測定等も取り入れながら、生活習慣を見直し、血糖コントロール、フレイル予防にも力を入れ、地域の介護、福祉分野の他職種との連携も図るよう心がけております。
80歳男性。30年前に2型糖尿病と診断されインスリン療法と内服薬にて治療中。転居に伴い当院に転院。
加齢に伴う心身機能の衰えに加え、白内障、つま先のしびれがあり、歩行時につまずき、転倒することが目立つようになってきたため、動くことをためらうなど、おっくうに感じつつあったが、寝たきりは望んではいない。
妻は1日でも自分の足で歩き続けてほしいという気持ちがあり、子供たちも転ばないように手すりをつけるなどサポートしていた。
ご本人、ご家族の意向を叶える為にも、血糖コントロール、合併症の予防につながる食事療法を開始することとなった。
食生活の聞き取りから、15時のおやつに加え、昼食後と夕食後、就寝前に果物や清涼飲料水をとる習慣があること、活動量が年々減ってきており、ほぼ1日中テレビを観て過ごしている現状を把握した。
ご本人は、糖尿病の既往歴も長く、自己血糖測定もしており、甘いものを食べると血糖が跳ね上がることは理解されていたが、本人より、夕食後の果物と就寝前の清涼飲料水の摂取はやめ、お茶か水に変えることならできそうである旨、また、1日1回は家の周りを1周することならできるかもしれないという前向きな発言があり、まずは1ヶ月を目標に取り組み始めることとなった。
初回の栄養相談にご自身で掲げた食事・運動療法の目標は達成することができた。
しかし、夕食後、寝る前の間に口さみしく思うことがあると相談があった為、近所のドラッグストアに、糖質ゼロの水菓子や飲料が発売されている旨を情報提供し、奥様と散歩もかねて探しに行くことを提案した。
2回目の栄養相談時に紹介した糖質ゼロ商品を見つけ、お好みのゼリーやプリンを見つけ、生活に取り入れ、ストレスなく食事療法を続けることができている。家の周りを1周歩くことから始めた運動療法も妻と毎日30分歩くことが、習慣化し、転倒なく過ごせている。
血液検査値は、初回栄養相談時はHbA1c 8.0 %から、3回の栄養相談を終え6.2 %へ改善、低血糖症状なく過ごし、内服薬を1剤減らすことができた。
血糖コントロールにつながる食事、運動療法を理解し、自己管理できるようになってきた為、毎月行っていた栄養相談の頻度を、3カ月に1回へと変更し、引き続きフォローすることとした。
当院では、無理なく、楽しく、継続して食事療法に取り組む為、毎回ご本人に実現可能な目標を決めていただきます。
また、おひとりお1人に、食事記録をもとに、三大栄養素からビタミン、ミネラルまでをも網羅した「栄養成績表」をお渡しし、普段の食事のバランスチェックを行います。
その他、採血結果や身体計測値、栄養相談内容をまとめたオリジナルの「経過記録」や、ご本人の生活習慣や嗜好、調理技術に合わせた「ヘルシーレシピ」をお渡しするなど、ひとり1人に合わせた資料をご用意し、モチベーションを落とさない工夫をしています。